機能での差別化が難しくなっている中で、モノを販売するということは非常に難しくなってきた。
商品の機能、性能、品質だけで勝負する方法は、薄利多売の道につながる。
薄利多売が成立する商品、ブランドであればそれでも良いがほとんどのモノがそうではない。

薄利多売ビジネスは、常に競合との比較、価格競争をし続けるということ。

薄利多売ビジネス参入による業界崩壊の象徴として、アパレル業界がわかりやすい。
ユニクロ、しまむら、ワークマンの存在で手頃で良いものがいくらでも手に入る。これまでファッショントレンド、機能、品質で勝負をしていた、三陽商会、ワールド、オンワードなどの百貨店主体のブランドの崩壊。
その象徴がレナウンの倒産が話題になった。

薄利多売ビジネスを少しでも回避する方法として、売り方に工夫することがある。
その1つがフレーミング手法。
この考え方は色々なところで活用できる。
目次
■心理を誘導する
⚫︎フレーミングとは?
枠(フレーム)の与えられ方にによって、本質的には同じことであってもモノの見方が特定の方向に誘導されること。
例えば、
コップに容量の半分程度の水が入っている。

もし横に空のコップを置くと、それを基準に「水が半分も入っている」と印象付けることができる。
逆に、水が満たされたコップを横に置けば「半分しかない」と考える人が増える。
つまり、客観的に同じであっても、どの状態を基準にするか?によって受け取り方が異なってくる。
フレーミングとは、基準を見出すことでもある。
⚫︎モチベーションや意思決定に影響
フレーミングは、人のモチベーションや意思決定にも大きな影響を与える。
フレーミングが活用される場としては、
- 部下のモチベーションを高める指示の方法として活用
- 交渉やセールステクニックとして活用
- マーケティングの値付けなどに活用
例えば、
A;定価 2,800円(税込)
B;定価 3,080円(税込)
A;打率3割打者
B;10回打席に入って7回は凡退する打者
A;定価10万円のところ、特別に5万円にします。
B;この商品は5万円です。
どのケースも同じ内容だけど、受け取る印象は大きく異なる。
今、この売り方に注目されているが、キャッチフレーズを変えるだけで与える印象すら変わるということ。
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■フレーミングの使い分け方法
⚫︎今すぐに活用できる方法
枠(フレーム)を変えただけで購買動機やモチベーションが変わってきてしまうけど、具体的な方法としていくつかある。
①【数量で示す】対【比率で示す】
数量;1,000人が来店して200人が購買した
比率;20%の人が購買した
②【大きなスパンで示す】対【小さなスパンで示す】
大;中長期計画を達成するための売上予算
小;直近の売上実績を元に作った売上予算
③【端数まで示す】対【キリの良い数字で示す】
端数;円周率 π=3.1459265
キリの良い; π=3
④【メリットで示す】対【デメリットで示す】
+;この水を飲むと満腹感を得る
−;この水を飲むと食欲が落ちる
⑤【利益を得る方向で示す】対【損失を防ぐ方法で示す】
+;この事業をすると〇〇と相乗効果を得る
−;この事業をやめることで△△を防ぐ。
このように、印象づける方法は複数ある。
この印象操作をプラスに働かせることで、購買意欲やモチベーションUPに繋げることができ、フレーミングは有効な方法と言われている
⚫︎モチベーションを上げる
モチベーションを上げる方法として使われる方法としては、プレッシャーを与えないこともある。

スポーツ競技などでよく選手をリラックスさせ鼓舞させるのであれば、
「勝って当然な試合だ!」
とプレッシャーを与えるよりも、
「これまでの練習を信じて楽しもう!」
と伝えた方が無駄なプレッシャーを与えない。
営業成績が悪く年俸が下がってしまう状況を伝える場面があった時、
「業績が悪いので500万円→450万円に下げる」
と結果論だけ伝えるのではなく、
「全体の業績が悪すぎて本当は500万円→400万円にしたいけど、450万円で納得して欲しい」
と伝えた方が受け手の気持ちは大きく異なる。
同じ結論になるけど、2つの言い方で受け手のモチベーションは大きく変わる。
このように、言葉の使い方1つとっても視点を少しズラすだけでも受ける印象が変わる。
■リフレームの意識を持つ
同じ物事でも、本人の捉え方次第でも印象が変わる。
例えば、
喉が乾いていた時、テーブルにコップに容器の半分程度の水が入っていたとする。
その場合、「半分しかない!ついてない。。。」と思うか、「半分も残っていてラッキー!」と思う。

同じ条件でも、感じ取り方が異なるということ。
ポジティブに考えるか?ネガティブに考えるか?
出来ると思うか?出来ないと思うか?

視点をズラす、枠を変えることを自在に使えるようになると色々な場面で応用ができる。
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■フレーミングのコツと注意点
⚫︎交渉ごとで使ってみる
交渉ごとで使われるテクニックとしてアンカリング効果がある。
落とし所をあらかじめ設定し、誘導するテクニック。
これは普段の生活で何処でも行われているから、アンカリング効果を意識して観察すると結構面白い。

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⚫︎フレーミングの注意点
注意点としては、フレーミングは示した言葉以外の部分からも印象を与えること。
例えば、
暗い顔や声のトーンで明るい話をしても、相手は表情を見て
「実は悪いのでは?」と思ってしまう。
これは行動と言葉が一致していない場合、相手には悪い印象を与えることがある。
■売り方を考える
同じ条件でも、言葉、表情、伝え方を変えるだけで相手に与える印象が変わる。
この心理効果は、これから凄く大切になる。
機能勝負での薄利多売ゲームからの脱出。
機能や性能では差がつけられない。
その中でも選ばれる存在にならなければ生き残れない。
でも、モノやサービスの質はこれ以上上げられない。
そんな時、まず最初に、「どうやったら売れるか?」を考える。
普通に売ったら激しい競争に巻き込まれるのであれば売り方を変える。
その一つがフレミーング。
伝え方1つで状況が打開できる時もある。

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