ビジネスの軸は相乗効果があることを積み重ねることが大切という中で、相乗効果を円滑に進めるつなぎの役割を担っているのがオンラインやAI技術などのテクノロジー。
進化するテクノロジーはビジネスとビジネスをつなぐ手段と思いながら組み合わせていくと、土台がしっかりしたビジネスが生まれやすいと思う。

⬇️ 相乗効果が新たなビジネスの柱
テクノロジーの融合を具体的に形にできるのは、ベンチャー企業か資金力がある大企業。
今日は希望退職の波が収まる気配が全くない大不振なアパレル業界の参考例。
目次
■人材流出が企業を弱くする
一時代を築き上げた各社名門企業が大苦戦。
業績が悪くなると、これまで強みだった固定費、つまり店の家賃や人件費が重荷になり身動きができなくなり、希望退職や店舗大量閉店という手段しかできなくなる。
希望退職た店舗大量閉店は1番最後の最低な悪手。
優秀な人材が流出し企業はますます力を失い再生は難しくなる。

最低な悪手を使わなくてはいけない状態まで、なぜ対策をしなかったか?を考えてみる。
⚫︎アパレル大手が苦戦している理由
アパレル小売が構造を変えられない理由は昔から根付いた2つの考え方に縛られているからだと思う。
①売上を作るためには店舗が必要
②過去の栄光が忘れられない
この2つはアパレル業界に限らず古い体質を持ち、今不振で身動きできない業界は全て当てはまる。
①売上を作るためには店舗が必要
店舗を出すには初期費用がかかり、当然初期設備費用を回収するためには長く店舗を運営しなければいけない。
そこに店舗を運営するための人材を雇っているため毎月かかるランニングコストである固定費率が圧倒的に高い。
売上が悪い、利益が出ていないからといってすぐに引けないのは「初期投資を回収しなければいけない」という勿体無い願望が撤退という選択の障害となる。
結果、首が回らなくなって一気に大量閉店に追い込まれる。
店舗を引くタイミングを後ろ後回しにしてきた結果がまさに大量閉店。
#完全に経営判断がダメだった例
⬇️勿体無いが被害を大きくする例
ビジネスの基本は利益率を上げて、毎月かかる固定費でもあるランニングコストを下げること。
当然、ランニングコストが高く利益率が低いと売上額を取らなければ赤字にすぐに転落する。その象徴がまさにワールド、オンワード、三陽商会など。
これはどの業界にもいれることで、利益率が低い薄利多売で固定費が高いビジネスは売上が止まれば一瞬で会社が傾く。
モノ販売している場合、売上高が伸びるとすぐに店舗や人を増やす。
結果売上が止まった時に何年も積み重ねたものが一瞬で崩壊する。
いきなりステーキはまさにその象徴。
⬇️調子に乗った多店舗展開の末路。。。
② 過去の栄光が忘れられない
1980〜1990年台の格好を見ると凄く驚き!


今では考えられないけど、バブル期はとにかく勢いがあったのだと感じる。
個人を主張するようなド派手な格好が多かったということ。
ワールド、オンワード、三陽商会などはこの勢いがある時代に生まれ「モノを作れば売れる」という考えが残り続けている。
昔は100着作ったら約90着以上が定価で売れていたから、服の原価が30%だったら70%利益が取れていた。
今は、100着作ったら約50着しか定価で売れない。余った50着はセールやアウトレットで販売。
昔と今では利益構造が大きく変わっているにもかかわらず目先の数字だけを見て、利益を出すためには原価を30%→20%にするなどの卓上計算しかできない人が多い結果が品質の低下と、原価50%近くで販売する新興勢力にシェアを奪われた。
本当だったら、定価で50着しか売れないなら50着でも儲かるように作る量を減らして身の丈を小さくするか?定価で売れるように売り方を変えるか?(予約販売など)を同時に進めることが必須。
どちらも出来なかった結果が大量閉店。
希望退職者を募ると、当然優秀な人材から流出する。そうなると企業に残るのは「普通の人か、他では必要とされない人」で、残った人材で企業を立て直すということは不可能!!!
経営者は人材こそが最大の財産って理解できなければ破綻は決定的だと思う。
■色が時代の勢いを表す
雑学だけど、色がその時代の勢いを表す。
派手な赤や黄色、白などのような一般的に目立つ色を身につけることができるのは、自己主張ができていて何より自己主張を良しとする社会だったということ。
自分に勢いがあると自信が生まれ、自己主張につながる。そんな人が多かった。
一方、今は面接する側も受ける側も、モノトーンの主張しない色を着るのが当たり前になっている。

⚫︎同質化の強要が個性を潰す
マナーという言葉で個人主張のカドを落とす。皆んな同じ格好に誘導するということは「個性を抑えろ!」「同質化しろ!」と言っているのと同じだと思う。

経済の勢いがなくなると、自信がなくなり黒やグレーなど主張しない無難な色を着ることが多い。#黒はモードだけどね!
社会全体がこのように個性を良しとしなくなるとファッションへの関心も薄まり結果商品が売れなくなる。
商品が売れないのに、「昔は売れた」「トレンドが違う」などと過去の栄光を捨てきれない人の宝庫なのがワールドやオンワード、三陽商会に多いから時代の変化を察しすることができなかったと思う。

自分は就活生の服やカッコ悪いスーツを着てまで働きたくなかったから就活を捨ててまさかの住み込みで新聞配達で勉強って選択。
今でもカッコ悪い格好はしたくないから、絶対にダサいスーツもジャケットも着ない!!!っていう個性丸出しを貫く昔の人???(笑)
■変化に順応な大企業
⚫︎アパレル不振?その中で業績を伸ばす
アパレル業界が不振の中、業績を伸ばすユニクロ。
固定費がかかる店舗を持ち、高品質を維持するために原価を高く維持。
売れ続けなければ会社が傾く巨大企業がなぜ業績がいいか?を理解すると納得できる。
巨大企業なのに変化に順応。
ファーストリテイリングは4月8日、2020年9月〜2021年2月期決算発表。
北米や欧州での臨時休業を受け減収となったが、国内・中華圏事業の採算改善で大幅な増益を確保。
- 売上収益は前年比0.5%減の1兆2029億円
- 営業利益は同22.9%増の1680億円
- 3月の既存店売上高は前年同月比40.2%増

国内ユニクロ事業の営業利益は36.6%増の978億円と高成長。
ネット限定商品の投入やアプリ会員向けの割引を増やしEC売上は40.5%増の738億円に拡大。
コロナで移動が制限される。
莫大な固定費が毎月かかる。
これはユニクロも同じでも利益を伸ばしているということが重要。
⚫︎ユニクロが強い理由
ユニクロが強いのはテクノロジーの融合をかなり前から進めてきたからだと思う。さらには同時にブランドイメージの向上。
最近、ユニクロの服のイメージって良くないですか?CMにしてもPR関係もスタイリッシュになっている気がするのは意識的にそうしているから!
お金が集まるところには人も集まる。
勢いのある企業には優秀な人材が集まる。
これまでユニクロはモノ作りや金融、物流のスペシャリストを青田買いしてきた。
一流商社マンや一流技術者などをとにかく高待遇で引き抜き続け、モノを作るハード面の強化していた。
最近の流れはソフト面の強化できる人材。ヴィジュアルやブランドイメージ、新たな販売手法などに関わる人材強化。
雑誌編集長を何人も引き抜いたり、実績を出しているEC販売責任者を引き抜いたりすることで外部から一流の人材を引き入れ急速に変化させている。
その結果が今のEC売上増だしユニクロのブランドヴィジュアルがスタイリッシュに見えるようになった理由。
あのユニクロですら、「もう商品だけで勝負は限界」と感じているっていうこと。
何より人材が企業を強くするっていう象徴でもある。
⚫︎サイズ対応にテクノロジーを活用
数年前にZOZOスーツという体の細部まで採寸するシステムを作って話題になったけど、今はそれを遥かに超えた採寸システムがある。
あまり聞き馴染みがないかもしれないけど、bodygramという採寸できるアプリが存在する。

たった2枚の写真を撮るだけで採寸でき、その精度は前後差1.5cm未満。
しかも最近は3Dにまでしてくれる。
興味がある人は簡単に【bodygram】と検索したらアプリが出てくるのでおすすめ。
アメリカの会社ではあるけど、ユニクロは数年前からいち早く導入。
それを自社に取り入れている。
まさにテクノロジーを活用することで、お客さんのサイズ感の不安を解消させた。

テクノロジーは、今まで不満を抱えていたことを解消する手段。
ユニクロの場合は、「自分のサイズが正確に知りたい」という要望を簡単に解消する手段としてbodygramを活用した。
サイズがわからないと思っていた人が簡単に自分のサイズがわかれば購入しやすくなる。そのように誘導したのがユニクロ。
ユニクロは現在ソフト面の強化を徹底している。
⚫︎昔と今の比較
昔のユニクロは、「価格は安いけどダサい」って感じだった気がする。

でも今は「価格も安いしスタイリッシュ」最近話題になった「+J」はまさにその象徴。

ヴィジュアルだけ見たらユニクロってわからない。これがユニクロの戦略。
スタイリッシュで安い。
売れるというのは必然って気がする。
アパレル業界不振の原因は、服が売れないのではなくて、魅力ある服を提供出来る企業が少ないって気がする。
そして「服が売れない時代」って言い訳している企業から崩壊していく。
「服が売れない」のではなく、「魅力がない服を作り続けている」に変わらないとこれからも厳しいかもね。
⬇️ 個性を作る
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