今日は『ジョブ理論』について。消費のメカニズムを勉強。

著者はハーバードビジネススクールの教授でもあるクレイトン・M・クリステンセン教授。ビジネス論文で世界的にも有名な人。
■ジョブ理論とは
「お客さんはどうしてその商品を買うのか」という観点から、お客さんの抱える潜在的なニーズを見出す理論
顧客の持つ表面的なニーズ【〜が欲しい、〜をしたい】ではなく、顧客がその商品を利用する理由を基に、表面的には出ていない真のニーズを見出すことに主眼を置いている。

多くのビジネス書は表面的なニーズを探すことについて書かれてるけど、さらに深い本質を見つけることが本当にニーズということが書かれている。
ジョブとは
【特定の条件で顧客が成し遂げたい進歩】
特定の条件、、、ある商品やサービスを購入する時点の前後最中の状況のこと
ジョブ理論の例
例えばスポーツドリンクを購入する顧客を分析した場合
- 特定の状況(前):運動して喉が渇いたから、喉の渇きを解消したいと思っている
- 特定の状況(最中):スポーツドリンクを購入して飲んだものの、甘すぎて飲む気にならない
- 特定の状況(後):次からはもっとさっぱりした味のスポーツドリンクを購入しようと思った
顧客が成し遂げたい進歩
「やらなければならないこと」や「積極的にやりたいこと」など、お客が達成したい何らかの目標のこと
商品やサービスを利用すること(表面的なニーズ)」ではなく、「なにを達成したいのか?」という視点でお客の分析を進める点がジョブ理論の特徴。
商品やサービスを提供する時に予測するニーズを誤った解釈をすると、的外れなモノになって結果が生まれにくいということだね。
スポーツドリンクの例だと、「飲み物を買いたい」というニーズではなく、「喉の渇きを解消したい」という願望を基に、分析を進めていかなくてはいけないってこと。
商品やサービスの観点から分析を進めていくと、「根本的にお客さんは何を求めているのか?」という視点が薄れてしまい、的外れなアイデアとなってしまうことが多い。
「飲み物を買いたい」というニーズに基づいて商品改良を進めた場合、美味しさを追求するあまり、本来顧客が求めている「さっぱりした飲み物」からはかけ離れた甘ったるい飲み物になってしまったら、それまでの時間と労力が無駄になる。
「喉の渇きを解消したい」という願望に基づけば、最初から喉をさっぱりさせることができる薄味でスッキリした味の飲料水を作れる。
本質的なニーズを適確にとらえることは、商品やサービスの成功の決定率をあげるってこと!!!
経営の神様と言われるピーター・ドラッカーは「企業が考えるニーズと、実際の顧客ニーズは、基本的に乖離している」と言っている。
まさにその通り!
企業は自社の商品やサービスありきで物事を考える。
企業は本来は、購買理由に応じて市場や顧客を定義するといいけど、実際はその理由の分析や整理が難しく、非常に手間のかかる作業で難航し、いつの間にか属性(性別や年齢、地域等) を顧客ターゲットの指標として用い、購買理由を 明らかにする作業を飛ばし、商品を提供すること に焦点をあててしまうことが多い。
こうなると「なぜ、誰が、何を買うのか?」の 中の購買理由がないがしろにされる。
そして「誰が、 何を買うのか?」ということばかりが議論され、 結果的に、顧客の議論が属性ありきになり、同時 に商品開発そのものにフォーカスした組織になる。結果的に、商品はよいものだけど売れない、 という状況っていうのがまさにこの状況。
企業はどこかのタイミングで「なぜ?」という1番重要な要素を忘れてしまう。だから顧客の本質的なニーズを捉えれなくて、無駄に時間や費用をかけてしますことが多い。本質的なニーズを探れなければ、中途半端な結果しか生まないってことだね。
大切なのは「なぜ?」
ジョブ理論はまさにこうした企業と顧客のニーズのずれを解消するために、いかに正確にニーズを把握できるか?の考え方を提唱している。
■ドラッカーの理論
ドラッカーは「顧客のほしいのはプロダクトではなく、彼らの抱える問題の解決策だ」とも言っている。
顧客はある特定の商品を購入しているわけではなく、過去から現在においてなんらかの問題を抱えていて、その問題を解決するために商品を購入している!
ジョブ理論では特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩としているけど、顧客は自分自身の置かれている状況に対して何らかの不満を抱え、その状況を良くするために商品(製品、サービス)を購入して解決している。


※ミルクシェイク購入分析

言葉の表現は違っても、提唱していることは似ている。
大切なのは、顧客のニーズというのは時間と共に日々変化していくってこと。ニーズを掴んだら即対応。企業が求められるのはやはりスピード感!
このスピード感がなければ、そもそもいつまで経っても結果は得られない。
コレから求められる最低限の能力は決断、即行動できる人だと思った。
ジョブ理論の深掘りはパート②で!
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