日本で環境配慮商品が浸透しない理由⁉︎必要とされることと費用のバランス、経済合理性限界曲線とは?

✏︎学んだこと✏︎

SDGsという言葉を聞く機会が増え、持続可能な経済活動が世界的にも注目される社会になり、環境に優しく、人権尊重といった道徳を重要視する考え方が広がってきている。
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた国際社会共通の目標のこと。

簡単に言えば、世界の全ての人が平等に継続的に豊かになる社会を作ろう!ってこと。
まさに渋沢栄一が唱えた、道徳経済合一説の社会を作るって言うのが世界の流れ。

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■道徳経済合一説の実現の難しさ

⚫︎論語と算盤

渋沢栄一が説いた道徳経済合一説。
道徳と利益の追求は相反するものであると考えられがちだけど、これらを両立させることができるはずだと考え方。

利益を得ようとして道徳に反することを行えば、遅かれ早かれ、利益が失われ事業がダメになってしまう。
逆に、持っているお金が少なければ、道徳的に行動し続けることは難しい。
利益だけしかない事業は続かないし、綺麗事だけではそもそも続かない。

「儲かりさえすれば、他人のことはどうでもいい」と考え、道徳を無視して利益だけを追求して失敗した企業は数多くある。
道徳的に正しいことをしていても、利益が得られなければ、その活動を続けていくことは難しくなってしまう。
利益を追求することは決して卑しいことではなく、社会を豊かにするためにはとても大切なことってこと。

道徳なくして経済なし、経済なくして道徳なし。
この考え方はSDGsの考え方に非常に近い。
道徳を大切にしながら経済も持続させる活動が、環境に優しいビジネスであったり、途上国の人達の人権を守ったビジネスだったりする。

⚫︎環境配慮と人権尊重

道徳と利益を両立させる為に重要なのは、先進国と途上国と経済格差をどの様に抑えることができるかと言うこと。
海外生産の主な目的は、途上国の安い労働力を使い安く作ること。
日本では人件費が高いから、人件費が安い国で代わりに作る。
安価で便利なプラスティック製品を大量に作り、大量に廃棄する。

一部の人が豊かになれるのはそれを支える見えない人の存在があるからということを決して忘れてはいけない!
あらゆるものが高品質低価格で買えるのは、それを低賃金で作る人のお陰だし、過剰に作られたモノを大量に捨てられるのも簡単に作れる技術が発達してから。

当たり前だと思う生活は何かの犠牲によって支えられていることが多い。
環境に優しい製法と言われるオーガニックコットンも、無農薬で育てるには同然労力もかかる。
新疆綿は確かに肌触りも滑らかでいいけど、それを育てるにも手間がかかる。
ウィグル人という安い人件費を活用してできたオーガニックコットンや品質のいい新鏡綿を低価格で買えるのは人権を無視した労働環境の支えがあるってこと。

光の裏には闇があるように、豊かさの裏には貧困がある。
環境問題や人権問題が注目されなければ、非道な労働環境の改善はされなかったと思う。

関連ブログ⬇️⬇️ ウィグル問題の闇

⚫︎豊かさの維持の難しさ

豊かな生活を維持しようと思ったら、最低限お金を稼ぎ続かなければいけない。
稼ぎ続けられるということは本当に難しい。
豊かな生活を手に入れてしまうと、さらに良い生活を目指したいし、良いものは少しでも安く手に入れたい。

企業は、多くの派遣社員を全て正社員採用してしまったら人件費が大きくなり利益が少なくなるし、最低賃金が上がればアルバイトの人を少しでも減らそうという流れになる。

企業の利益が少なくなれば当然給料は上がらないし、むしろ減る可能性が高くなる。

貧困層の収入を強制的に増やすことは貧困層を広げることとなる。

企業が儲けを大きくしようと思ったら、人件費をかけずに利益を出せる職種に優秀な人材が流れる。
誰でもできる仕事の価値は下がる。
価値が下がれば当然給料は上がることはない。
豊かさを維持しようと思ったら、人と異なる個性を持つしかなく、その結果貧富の差を広げることとなる。

■必要なことと費用のバランス

⚫︎経済合理性限界曲線とは?

世の中に溢れているモノやサービスは、何かのニーズやウォンツに対して解決を目指す。
当然、解決した問題を抱える人が多ければそれが市場規模となる。
横軸に問題解決したい人の数。
縦軸に問題解決するためのの難易度。
企業はニーズやウォンツに合わせて、商品やサービスを開発するけど開発費用にも限界がある。

例えば、
多くの子供を持つ親は子供が安心して遊べる公園を求める人が多くいたとする。
でも、子供が遊ぶ施設に対して1億以上の費用をかけられる企業はほとんどない。
だから市町村が税金を使って公園を作る。
当然税金を使っているから、とんでもない費用の遊具は作ることはできない。

環境対策として、廃材を活用してリサイクル事業が社会に求められていても廃材をリサイクルさせる為には莫大の費用の工場施設が必要で、その投資費用が回収できなければ工場を作ることはできない。
企業は投資する費用に対して確実に利益回収できるバランスがあり、ほとんどの商品やサービスは投資に対してリターンが少ないことに関しては投資できない限界ラインがある。

ラインの上側に抜けようとすると「問題解決の難易度が高すぎて投資を回収できない」という限界に突き当たり、このラインを左側に抜けようとすると「問題解決によって得られるリターンが小さすぎて投資を回収できない」という限界に突き当たる。

つまり、このラインの内側にある問題であれば市場が解決してくれるけれども、このラインの外側にある問題は原理的に未着手になるというラインが存在する。
これが経済合理性限界曲線。

⚫︎環境に優しくはお金がかかる

環境に優しいリサイクル事業は投資が集まりやすい事業として注目されている。
SDGsという世界的な流れからリサイクル事業に関しては投資が集まったとしてもビジネスとして成功しているケースは非常に少ない。

例えば、
ポリエステル再生事業だと、廃材からポリエステルを取り出して再度使用できるようにするとする。
当然、リサイクルさせる為には最新の設備が必要となりその費用を回収しようとすると再生ポリエステルの値段は高くなる。
普通に買えるポリエステルの値段が100円だったとしてリサイクルポリエステルの値段が1000円だったらどっちを使うか?
多くの人は、環境に優しくとは思っているけど実際は高いものを買わない。

無農薬で環境に優しいオーガニック商品。
農薬を使った商品が100円で買えて、オーガニック商品が300円だったらどうなのか?
通常商品と環境に優しいオーガニック商品との値段差が小さい場合は、選ぶ人が多くなる。
一方、通常商品とリサイクル商品の差が10倍以上もあると流通量は圧倒的に下がる。
それは、原材料を高くしたからといって高く売れないから。

環境に優しくという考えはあっても、実際に機能も性能も変わらないのに値段が高くなると人は買わない。

環境配慮商品が大量に流通しない1番の理由は値段。
環境に優しい商品を買える人は意識が高い一部の人だけで多くの人は、それよりも安くて良いものが購入できれば良いというマインドを持っている。
結局日本では値段を優先される文化が根強いから環境配慮商品が浸透していかない。

■投資と回収のバランス

環境に優しい商品には投資が集まる。
それはこれからの時代は環境配慮が必須になるからと言う期待の現れだと思う。
投資が集まるからといって、いつまで経っても採算の乗らないビジネスでは継続すらできない。

道徳を優先しすぎても、利益が取れなければビジネスとしては失敗。
この課題と向き合うために必要なのがブランド力。

⚫︎パタゴニアの例

パタゴニアは徹底的に環境配慮商品の調達を目指している。
当然環境配慮商品は原価が高くなるため、利益を維持しようと思えば販売価格が上がってしまう。

販売価格が上がっても購入してもらえるお客さんを作るためにブランドを育てる。
企業スタンスをブレずに持ち丁寧にパタゴニアファンにブランドのアイデンティティを説明することで、道徳と利益のバランスを保っている。

誰もが求めるような道徳を求めることは費用がかかる。
この費用をどのように回収させるかを考え抜きバランスが取れたところは唯一無二の存在になる。
なぜなら、多くの企業は採算が取れることの範囲でしか活動をしていない。

道徳を優先した活動で利益を出すことは難しい。
その難しい課題を試行錯誤できたところが本当の意味で持続可能なビジネスを手に入れると思う。
難しい課題だけど、この道徳と利益のバランスから目を逸らしてはいけないって最近すごく感じる。

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