売上安定を目指すために始めたサブスクリプションがうまくいかない理由とは?

✏︎学んだこと✏︎

最近サブスクリプションサービス(以下;サブスク)での成功例が企業安定と成長につながるということが一般化されてきている。
Netflix、Huluなどが代表的だけどMicrosoftや、Amazonも安定的に収益が出せているのが代表例。
毎月使用量を定額で支払い続けるため、定期預金のように毎月支払われる固定経費として消費者はいつしか刷り込まれる。
携帯の基本使用料金もそう。

日本では、オイシックスや北の達人コーポレーションがサブスク事業で高収益を保ったまま成長し続けている企業の代表例。
特にコロナによって売上不安定な経営方式がリスクだと分かった経営者が急激にサブスク事業の強化に繰り出しているけど、ほとんどがうまくいっていない。

それはなぜか?

◼️昔からある定額サービス

●サブスクとは?

サブスクとは、モノやサービスを一度きりの売り切りではなく利用権を定額提供する課金モデルのことで、サブスクという言葉は最近至る所で聞くようになってきているけど、昔からあったサービス。

例えば、
学生の頃毎月払っていた学費、習い事の費用は正に定額課金モデル。
毎月同じ金額を支払うことで教育を受ける権利を得る。
実は昔から当たり前に生活の一部として支払っていたサービスはサブスクってこと。

関連ブログ⬇️ 無料提供から顧客化するサービス

サブスクのサービスは昔からあったけど、注目されるようになったのは最近で、その理由がNetflixやAmazon primeなどの海外企業の大成功が一般に浸透してきたことが関係していると思う。

●サブスク沼を作って成長

多くの人はあまり知らないけど、Amazon=買い物というイメージがあるかもしれないけど、Amazonの株価が好調な理由はAWSの拡大。

AWSとは「Amazon Web Service」の略語で、Amazonが提供しているクラウド型サービスのこと。

代表的な機能は

  • 仮想サーバーの作成
  • Webサイトの運用
  • ビックデータ分析
  • システム開発環境の構築
  • データベースの運用
  • AI(機械学習)機能の利用
  • 動画や画像コンテンツ配信

これまで、初期立ち上げに莫大な費用と時間がかかったWebサービスをAWSを使えば簡単に素早く始められ、少しづつアップデートさせていけるってこと。

実はこれが最近、サブスク沼に嵌められる戦略。
それは初期費用がかからないから手軽に始め、いろんな機能を知るとアップデートさせたくなる。
機能をつければ定額費用はアップしていき、大きくなった時にはAWSなしには運用ができない状況を作られる。
今更自前で作るってことがないから、結果としてAWSを使い続けることでサブスク沼からは抜け出せなくなる(笑)

この戦略でAWSは成長していき、Amazon収益の多くを既に担っているという事実はあまり知られていない。
AmazonはEC運営で儲けているのでなく、AWSで儲けているというのがAmazon株価が好調な理由。

サブスクを考える時、どうしても定額会員を増やすことばかり頭に思いついてしまうけど、実は1番効率的かつ企業安定のポイントは、サービスから抜け出せないように仕掛けること。

これがサブスク沼(笑)

●サブスクの2パターン

①顧客獲得維持重視型

NetflixやHuluのようなサービスが注目されるけど、どちらも新規顧客が取れる人数は限られている。
新規顧客が延々に増えていくことはなく、日本でも人口に限りがある以上テッペン(上限)がある。
売上を維持するためには面白さを維持し顧客離脱率をどうやって減らしていくかの戦いがNetflixやHulu、オイシックスの戦い。
客単価は一定で新規顧客数増が売上高。

固定金額×客数→売上額となる。
新規顧客>離脱率の関係が続けば売上は上がる。
この場合のサブスクは、顧客をいかに離脱させないために力を入れる。

Netflixであれば魅力的なコンテンツを出し続けること。

②サービスアップデート型

一方、AWSは企業成長に伴いアップデートしていくため客単価は増えていく。
最初は少額から始められるということで、AWSを導入しやすくする裾野を広げる。
一度AWSを使い自社開発しなくても様々な機能を使えることがわかると、その便利さをさらにアップデートさせていくことで、固定費が上がる。

客数×(固定費+α)→売上額となる。
ポイントはいかにサービスをアップデートさせるかという点。

新規導入客数をもちろん重要だけど、それよりも顧客を逃さなくするためにシステムをアップデートさせる。
言葉を変えると顧客生涯価値を向上させることで、目的は1つの法人に多くのお金を使いづづけさせることで手段はサービスのアップデート。

関連ブログ⬇️ 今後重要になる顧客生涯価値とは?

AWSのビジネスモデルが今後必ず成長していくと言えるのは離脱したくてもできなくなる状況を作っているから。
初期に莫大なシステム投資ができる企業はほとんどなく、会社規模に合わせてシステムをアップデートしていく。

時代は常に変化しているから、必要に応じてアップデートできるAWSの仕組みは多くの企業が欲している。
そしてAWS機能を増やし続け、固定費が膨れ上がったとしても、既に使い慣れてしまったシステムを0から莫大な費用をかけて作り直すということはなく、固定費としてAWSサービスを使い続けるため、サービスを長年使っている企業の損失回避効果が発揮され離脱できない。

まさにサブスク沼にハマった状態(笑)

関連ブログ⬇️ 損失回避(プロスペクト効果)とは?

●サブスクの目的は?

売上安定させるサブスクは大きく目的は2つで、このどちらかが安定的な売上成長のポイント。

①顧客獲得維持重視型
 固定金額×客数→売上額 
 新規顧客>離脱率 離脱率の軽減

②サービスアップデート型
 客数×(固定費+α)→売上額 
サービスのアップデートによる単価UP

そして多くの企業のサブスクは①顧客獲得維持重視型しか知らない。

サブスク=新規顧客増のみという安易な考え方が多くの企業の失敗につながっている気がする。
サブスクの1番重要なのは、消費者、企業の生活の一部に溶け込ませることに尽きると思う。
生活者の一部になれば、その費用は固定経費となる。
授業料、携帯基本料とかは正に生活の一部。

◼️飲食業界でよく見かけるサブスク

●飲食業界サブスクの種類

飲食業界で行われているサブスクは大きく3つ。
①定額使い放題モデル
②割引モデル
③会員制モデル

この3つが非常に継続が難しいのは「お店に来店」が前提となっていること。
このサブスクの目的は集客。
その為、コロナによって営業時間制限や人の移動が制限されてしまった場合、サービス利用できない顧客の離脱率は上がる。

サブスクを設計する時に考えなくてはいけないのは生活者の一部に寄り添うこと。
お店の希望ではなく、生活者に寄り添う。

●麒麟のサブスク成功例

飲食業界のサブスク成功例だと麒麟の家庭用ビールサーバー。
資本力のある大企業だからサーバーを開発できたというのはあるけど、狙ったマーケットが絶妙。

コロナで外食できない人たちをターゲットに「お家時間の充実」を狙って家で美味しいビールを提供するサブスク。
ビールサーバーを使って注ぐという体験を提供するだけでなく、重要なのは顧客を飽きさせない施策と、麒麟がマーケットを拡大させたいゾーンでもあるクラフトビールをマッチさせたこと。

顧客は毎月自分の好みに合わせて家でビールを楽しめるし、麒麟はクラフトビールの文化を根付かせることで、飲食店向けのクラフトビール販売を拡大できる。
さらに、この施策は家庭だけをターゲットにしているのではなく飲食店にそのまま適用できる。

小さいボトルで、いろんな種類の飲み物が飲める環境を作ってしまえば、これまで樽でしか発注できない他社から麒麟に変える可能性がある。
さらに、他社にはないクラフトビールのバリエーションは女性顧客拡大につながる可能性が高い。
麒麟のサブスクは「お家時間の充実」という戦略の中に、多品種少量でビールを楽しむ文化を作り、多品種あるクラフトビール調達力という独自性をマッチさせることに成功した例だと思う。
まさに優秀なマーケターの仕掛け。

関連ブログ⬇️ マーケターの仕事とは?

◼️サブスクを作るなら

●サブスクを集客手段にしない

サブスクはあくまで継続契約してくれるお客さんに寄り添ったサービスでなくてはいけない。
サービスを利用しているお客さんになくてはならない存在になるのがサブスク。
現在サブスク事業で成功している企業を分析するとその全てが「生活者の一部」となっている。

飲食業界で多いサブスクの施策を見ていると、
集客を得るために無料サービスをつける。
集客を得るために値引きする。
集客を得るために会員限定にする。

集客の手段でサブスクを使っていると、いつまで経っても生活者の一部にはならない。

何より「場所」に来なければサービスが受けられないということは顧客満足度を下げる要素になる。
サブスク戦略を作る時は、「生活者の一部」になることをベースに自社の得意なゾーン、もしくは強化したいゾーンを組み立てることが大切。

そして企業成長させるなら、離脱率を減らすか客単価を上げるのどちらかの方法を最初から準備したほうがいいかなって思う。
決して、サブスクは資本力がある大企業だけができることではない。
中小企業でも大企業ができないことでサブスクを作ることはできると思う。
弱小企業が資本力に劣るなら、唯一勝つ方法は知恵を絞って戦略を作ること。

戦略なくして大企業には勝てないってこと。
そして大企業の真似をしてもそれでは安定しないってこと。

関連ブログ⬇️ 売上を安定させる方法

コメント

タイトルとURLをコピーしました