せっかく作られた良い文化が衰退する原因と理由とは?にわかファンの存在との向き合い方!

✏︎学んだこと✏︎

どの業界でも起こる文化の衰退。
一時的に盛り上がっていたのに、いつの間にか盛り上がりが落ち着いてしまうことがある。
分かりやすい例がラグビー日本代表。

日本中を大熱狂させ、ワールドカップ終了後は色んな選手がTVに引っ張りだこだったけど、今は露出がかなり少なくなりラグビー競技人口増加に向かう文化までは定着しなかった。
コロナによってテレワークという新しい働き方の文化が生まれかけたけど、多くの企業で定着できなかった。

このようにスポーツに限らず、せっかく良い文化が生まれ定着しないのはなぜか?
その原因について。

◼️ラグビー競技人口からわかる土台の大切さ

●文化の定着は難しい

新しい文化を定着させるために必要なのは、継続的にサービスを利用する層の拡大。
ラグビーで言えば定期的に試合観戦や、メディアへの露出。

メディアへの露出が継続できれば認知され、会場に足を運んでくれる人が増える。

2019年ラグビーワールドカップによって認知が83.9%と増えれば、本来は競技人口も増えるはずだけど、、、ラグビーはそうならなかった。

●ラグビーの精神は素晴らしい、、、でも

日本代表の結果だけでなく、ラグビーの精神を目の当たりにして「なんて素敵なスポーツなんだ」と思った人も多い。
多くの人が感動した「ラグビーの精神」
あれだけ熱狂した人が多かったのに、この文化が浸透しなかった。

「ラグビーの精神」はすごくいい。

そして、ONE FOR ALL,ALL FOR ONE. といった1人は皆んなのために、皆んなは1人ためにというような日本人が好きそうな思想が強い競技なのに定着しなかった。

それはなぜか?

ラグビーは競技するものではなく、見るものとなってしまったことが理由だと思う。

●土台がなければ文化は定着しない

スポーツ文化の浸透で重要なのは若年層の競技人口をどうやって増やすか?
ラグビーワールドカップによって知名度が上がり「自分もやってみたい」と思ったとしても、どこでやったらいいか?わからない。

さらにラグビー経験者もかなり少ない。
競技を始めたくても素人ができない競技というのがラグビー文化が定着できない環境面の課題。

時代の流れというものあるけど、危険が伴うラグビーの競技人口は年々減っている。

ラグビーワールドカップで日本中のほとんどの人が感動したにも関わらず競技人口は減っている。
若年層の競技人口が年々減っているため、当然競技できる場所も限られる。場所がなければ競技はできないし、競技人口が減れば場所は減る。
素晴らしい精神を持つラグビーが日本国内で浸透しないのは単純に土台となる競技できる場所が圧倒的に少ないから!

土台がなければ文化は浸透しない。
この土台というを分かりやすく説明すると、「にわかファン」が気軽に始められる環境。
競技したくても簡単に始められないスポーツは衰退しか無い。

◼️にわかファンが文化を作る

●サッカーと野球との違い

新しい文化を作るために重要なこと。
流動的に動くにわかファンをどのようにファンにさせるかということ。競技人口を増やそうと考えたとき、単純に「やりたい」と思った人が簡単に始められる環境があるか否か。

分かりやすい例だと、サッカー。
サッカーを始めたいと思ったとき、素人の受け皿になるのがフットサル。
数人集めれば始められるし、大会も簡単に参加できる。
11対11の試合は難しくても5対5のフットサルは素人でも楽しく始められるし、サッカー経験者もフットサルなら続ける人もいる。
経験者と素人がそれぞれ楽しめる土台がある。
何より最悪運動靴と動ける服だけあれば始められる。

さらに、男性、女性、子供が混合になっても試合を楽しめるという点がフットサルに簡単に触れる機会となる。
フットサルを体験した人は、サッカーにも興味を持ちファンとなる可能性が高い。

一方、野球はどうか?
大谷選手が大リーグで大活躍して、野球の認知は高まり「始めたい」という人が多少出てきたとしても簡単に始められない。
まずは高額な道具を揃えなければいけないのと一番の壁は素人が楽しめない競技ってこと。
経験者は楽しいけど、実力差がある素人もしくは女性、子供は競技そのものの楽しさを味わえない。

野球が衰退する理由は、
①道具を揃えるのにお金がかかる
②素人は競技を楽しめない
③人数が揃わないと試合すらできない

簡単に始められる環境があるサッカーと簡単に始められない野球、この差が文化の浸透に大きく影響する。
素人が思い立って簡単に始められない競技特有の壁が文化浸透の弊害となっている。

●にわかファンの存在

流行や文化を作るのはコアファン(昔からのファン)ではなく、流行に左右されやすい大多数のミーハーな層。
にわかファンを取り込むことで競技人口を増やせればビジネス規模が大きくなる。

みんなが興味を持っているから自分もその流れにのるという心理を活用するには、素人同然のにわかファンにどのように楽しんでもらえるかの土台が新たな文化を作る上で重要ってこと。

にわかファンが文化を作った例
にわかファンが文化を作った象徴として、ハロウィンイベントがある。

ハロウィン期間の渋谷スクランブル交差点の映像は全国に発信され、ハロウィン=仮装という独特の文化が今では当たり前になり、その経済効果はクリスマスを上回るモノとなった。
最初は「若い人達が仮装してはしゃぐ」という行為がにわかファンを次々に増やし、ハロウィン=仮装するという文化を作った。

⚫︎にわかファンを否定するコアファン

文化を作る上で弊害になるのがコアファンの存在。
ミーハーなにわかファンのことを馬鹿にしたり、自分の方が知っているといったマウント行為をとること。

例えば、
歌舞伎の世界は何時まで経ってもお客さんの若返りが進まず苦戦している。
それは、昔から歌舞伎を応援するコアファンがにわかファンを受け入れないことや、演者もコアファンに向けての伝統という言葉に縛られていることだと思う。

一方、歌舞伎同様に伝統芸能の相撲は違う。
若者層を取り込もうと素人と力士が気軽に会える機会を増やすことでにわかファンを取り込みに成功している。
「スー女」という言葉がうまれているように確実に相撲ファンはお年寄りが見るものではなく若者も楽しむものへと少しずつ変わってきている。

■文化を衰退させる要因

⚫︎文化衰退のプロセス

何時の世もコアファンがにわかファンを否定し始めるとせっかく生まれかけた文化を潰す。

「文化衰退のプロセス」は以下の通り↓
コレは企業の衰退にも近しい。

① 技術のみを追求に走る
→企業や個人が技術、品質を徹底的に磨く!

② 技術が上がれば上がるほど、玄人好みのお客さん(ファン)が増える
→技術や品質に魅せられた一部の人が熱狂する

③ 企業や個人の中で「技術を追求する=お客さんが喜ぶ」という構図が完成する
→コアファンだけが喜んでいるだけなのに、全てのお客さんが喜んでいると勘違いが生まれ始める 

④ 「技術を上げればいい」と信じてやまない企業や個人が、引き続き技術を追求する
→技術、品質UP=売上UPといった勘違いのまま突き進む
 伝統、老舗といった昔からあるものや、過去の経験、体験が足枷となる

⑤ 普通のお客さん(素人)には違いが分からいレベルに達する
→玄人受けはいいけど、素人はその良さが全くわからないレベルの商品やサービスになる
※TV、カメラの高画質競争がわかりやすい例

⑥ 「違いが分かるお客さん」(コアファン)がドヤりはじめる
→技術、品質を知っている玄人なコアファンが素人を小馬鹿にするようになってくる

⑦ 企業や個人も違いが分かるお客さんをありがたがる
→違いがわかるコアファンの意見だけを耳を傾けて意見を取り入れすぎて、マーケット規模を自ら狭くする

⑧ 「違いが分からないお客さん」は居心地が悪くなって出ていく
→せっかく商品やサービスに興味があったにわかファンが、コアファンだけが楽しめる場からいなくなる

⑨ 市場のほどんどが「コアファン(違いが分かるお客さん)」になる
→昔から応援しているといった小さな身内間を持った人だけが残る

⑩ コアファンを無視したら、運営が成り立たないので、コアファンの意見を聞かざるをえなくなる
→新規ファンを取り込まなくてはいけないのにコアファンが力を持ちすぎた結果、企業、個人はコアファンの顔色を見るような技術、品質、サービスを作るようになる

⚫︎企業あるある

過去の経験に縛られたベテラン社員が新しいことを考える若手社員の意見を拒否すること。
技術者、開発者が自分が欲しい、良いものだと感じるもの(自己満足)だけを開発に没頭する。
伝統継承という使命に縛られて、枠範囲内でしか表現できなくなる。

このように、企業も個人も「クオリティー」の本質は「技術」などではなく「お客さんの満足度」であるはずが、「自分の満足度」になりがちなものは文化として育たない。

⚫︎プロ野球の試み

競技人口減少傾向のプロ野球。
気軽に始められないというデメリットがある野球だけど、野球は見て楽しむものという文化を作ろうとしている動きはいろんなところで参考にされている。

広島のマツダスタジアムは家族で楽しめる空間作りを徹底している。

色々な客層ごとに楽しみ方を提案したことで、球場という遊び場に人を集客したにわかファンを誘い出し、そこで見たプロの凄さを体感させることでファンにさせることに成功した。

地域密着で、気軽に遊びにいける場所を戦略的に作ったことで、広島では野球を見るという文化が根付いたと思う。

野球を真剣に見たいコアファンではなく、野球を知らない子供や女性達が楽しめる空間の提供を強化したことで、球場に遊びにいくという動線を作った。

文化を作るときに重要なのは、限られた層だけに受けるモノは衰退するってこと。
幅広い客層が楽しめることこそが文化を作る上で大切なこと。

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