集団思考に慣れると、皆んなの判断が正しいと思い込んでしまう傾向がある。
日本人特有の考え方で、『三人寄れば文殊の知恵』という言葉があるように、一人で考えるより複数人で集まれば良いアイディアが生まれる?と言われている。
果たしてそうなのか???

何か判断する場合、
一人で考えるより、複数で考えた方が様々なアイディアが生まれる可能性はある。
様々な選択肢の中でベストを選ぶという考え方を持ち続けられるのであれば、多くの人から意見を聞くという方法は良い。
ただし、多くの場合は最終的に多数の意見を尊重してしまうことが多い。
それが間違った考え方であっても多数が良いと思うものは正しいと心の何処かで思ってしまっている。

集団という圧力は、適切かどうかの判断能力を奪い、好ましくない結論を出してしまうことがある。
日本特有の『場の空気』を読んで判断することは正しいか?間違っているか?ではなく、多数か?少数か?と判断基準が間違っている。

■集団浅慮とは?
集団浅慮とは、会議などの集団での意思決定場面において、最善の選択を模索するよりも何かを決定することに意識が向き、本来の議題に対する考えが浅くなることを意味。
心理学者アーヴィング・ジャニスが提唱した考え方で、『三人寄れば文殊の知恵』の逆の効果になってしまうという考え方。

場の空気に誰も逆らえない結果、誰が決めたということが曖昧なまま、意思決定がされることも多々あると思う。

■集団浅慮の要因
①時間的要因
時間がない時は決定することが優先されてしまう。焦って物事を決めようとすると客観的な判断が出来なくなることがある。
②専門家の存在
自分よりもその領域に詳しい人がいるとその人の意見にしたがって、自分の頭で考えなくなる。
専門家の意見に任せるという考え方。
③利害関係
何らかの利害関係が発生する場では、自分に有利になるようにしてしまい、内容自体への考えが浅くなる。
この利害関係が関わることが1番多い気がする。
■集団思考の典型的な状況
集団思考で起こる考え方がある。
この考え方になってしまったら注意が必要。
- 自分達は正しい、大丈夫という思い込み
- 自分達の考え方は間違っていない
- 外部からの注意、警告に耳を傾けないライバルの弱みを過大評価し、強みを過小評価
- 都合の悪い意見に圧力をかける
- 自分の考え、意見を抑えて周りに合わせる
- 都合の悪い情報を遮断・無視する
この状態が1つでもある集団は判断を誤ることが多いとされてる。
⚫︎集団浅慮防止策
集団浅慮の要因がわかれば、防止策も出来る。
防止策としては、
議論でわざと批判する役割の人を作る自分の好みや期待などの感情を抑えて、公平な姿勢で選択肢を模索する
外部からの意見を積極的に取り入れるメンバー同士が意見を討議出来る環境を作る当事者意識を全員に持たせる!

■集団浅慮は無意識に陥る?
集団浅慮は自分は大丈夫だと思っていても、無意識に陥ってしまうケースがある。
物事を公平に判断することは凄く難しい。

それは、人は感情的になる生き物だから!感情は抑えつつ、さらに集団浅慮の予兆に対して敏感になる必要がある。
⚫︎集団浅慮の予兆
- 代替え案を十分に検討しない
- 目標を十分に検討していない
- 採用しようとしている選択肢のリスクを検討していない
- 否定された代替え案は再検討しない
- 情報を丹念に探さない
- 情報の取捨選択に偏りがある
- 非常事態に対応する計画を策定していない
■集団思考の欠点
集団で物事を判断することの利点は多くの考え方から選択できること。
ただし、集団で考えることは調整に時間がかかる。
計画や分析に時間をかけすぎて、正しい結論が導き出せたとしても、判断が遅ければチャンスを失うことも多くある。この集団思考は良くも悪くもある。
集団思考の1番の欠点は同調圧力。
これに逆らって正しい意見を言うには勇気がいる。
周りの意見に流されてしまうとすれば、それは当事者意識がないから!
周りの空気に流されて、判断してしまう人は変わらなければいけない。
『あの場ではそんな事を言える雰囲気ではなかった』という言葉をよく耳にする。
それは結局責任から逃げているだけ!
集団浅慮を避ける為に1番重要なのは、常に当事者意識になり、好きか?嫌いか?の感情ではなく、正しいか?間違っているか?の判断を冷静に判断できる意思を持つ事だと思う。
場の空気に流されるのは当事者意識がないだけ!そう言い聞かせて、まずは1歩前進する為に行動に出よう!

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